感覚過敏・鈍麻への対応法
2024.07.12
こんにちは!保育士のななです。
「大きな音が苦手」「呼びかけても気づかない」など、お子さんの行動に疑問を持ったことはありませんか?
音や光などの刺激を感じやすいことは感覚過敏、感じにくいことは感覚鈍麻と呼ばれています。
この記事では、感覚過敏・鈍麻の概要や対応方法もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
感覚過敏・鈍麻って何?
私たちは、音や視覚情報など様々な「感覚情報」を脳で処理することによって、生活しています。
無意識に転ばないように調整したり、重要な刺激に着目したりすることができているのも感覚情報を適切に処理しているからです。
脳の中での感覚情報の整理が上手くいかないと、感覚過敏や感覚鈍麻などの感覚の偏りが発生します。
感覚過敏・鈍麻での困りごと
感覚の偏りが発生すると、生活に困りごとが生じてしまいます。
他の人には気にならない刺激であっても、本人にとっては耐え難い苦痛である場合があるからです。
感覚過敏・鈍麻での困りごとの一例をご紹介します。
<感覚過敏>
・雨が当たると痛い
・蛍光灯がまぶしくて、チカチカする
・大きな音や高い音が我慢できない
<感覚鈍麻>
・けがをしても見るまで気が付かない
・声をかけられていることがわからない
・においや味に鈍感であり、特定のにおいや味を好む
・刺激を求めて、強く足踏みをしたり、手をひらひらさせたりする
どう改善していく?
感覚には五感(視覚・触覚・嗅覚・味覚・聴覚)の他に、無意識に使っている「基礎感覚(固有覚・平衡感覚・触覚)」があります。
この基礎感覚を育てることで、感覚の偏りが改善されると言われています。
●固有感覚
力加減や細かな筋肉・関節の動きなどを調整をする働きがあります。
・重いものを引っ張る、運ぶ
・雑巾がけ
・新聞紙をちぎる
など体にグッと力を入れる遊びが固有感覚を育てます。
●平衡感覚
バランスに関わる感覚で、平衡感覚の反応の鈍さが座っていられない多動にもつながります。
トランポリンやブランコ、ハンモックなどの回転、揺れ刺激のある遊具でたくさん刺激をいれてあげることがおすすめです。
●触覚
五感の中でも登場する意識できる触覚は識別系、無意識に使っている触覚は原始系と区別されます。
ふいに触れられたときなど防衛反応として拒否してしまうのは原始系の触覚の働きによるものです。
識別系が働かないと、原始系の防衛反応が強く出て、触覚刺激を拒否してしまいます。
意識的に使う識別系の触覚刺激をたくさん与えることで、触覚の過敏・鈍麻を改善することができます。
触れられている場所に注意が向くような遊びを取り入れることがポイントで、背中に文字を書いて当てっこをしたり、袋の中に手を入れて何が入っているのか当てるゲームなどがおすすめです。
生きやすさにつながるように
今回の記事では、感覚過敏・鈍麻についてご紹介しました。
改善するための遊びもご紹介しましたが、残念ながら簡単に改善されるものではないではありません。
他者から理解されにくく二次障害に繋がることも多くあります。
苦手な刺激からは逃げることも大切なことです。
サングラスや耳栓、苦手な場所には行かないなどの環境調整と並行して、今回紹介した遊びを取り入れてみてください。
もし、対応方法に困ったときは、コネットのアドバイザーにも頼ってくださいね!